ソチオリンピック: 女子フィギュア フリー |
蓋を開けてみたら、女子の個人戦でメダルをとった3人共が、ショートもフリーもミスがほとんどないソトニコワ、キムヨナ、コストナーという結果に。
まず銅メダルのコストナーは、ボレロの曲にあわせて、慎重にジャンプし、慎重に滑っていたように思いました。バンクーバーのリベンジが果たせるのではないかと、見ていた私もベテランのコストナーをすごく応援してました。ただプログラムのせいなのか、ジャンプの難易度のせいなのか、それともコストナーがよく言えばとても丁寧に、悪く言えばものすごく慎重になっていたからなのか、なんとなく単調に感じてしまったんですよね。なんていうか少しスローに感じて興奮がないというか、パッションがあまり感じられないというか。ボレロはボレロでとても美しかったのですが、たぶんコストナーのアベマリアのショートがよすぎたせいか、フリーは守りに入ったように見えてしまったのかもしれません。
銀メダルのキムヨナ、緊張感溢れる最終滑走でほぼノーミスで決めてくるとは、やはりメンタルがすごく強いなぁと本当感心しました。しかも今シーズンのキムヨナは怪我でグランプリシリーズには出ずに、国際大会は2試合のみ出場。そんな中でもオリンピックに標準あわせてきちっと完成させてくるところはさすがです。ただ全盛期と比べると、スピードや勢いがあまり感じられず。ただ、流れるようなジャンプは相変わらず素晴らしく、また柔らかくしなやかな上半身の動きなど、見ていてとても美しいなと感じました。キムヨナの演技って、ジャンプをあまり失敗することが少なく、安心して余裕を持って見ていられるから、その結果全体的な流れや振付にも目がいくというか。競技というより、ショーを観ているかのような滑らかさを感じるし、高橋大輔と同じく、音の捉え方がとてもいいので心地よく感じるような気がするのです。
真央ちゃんが好きな人はたまにキムヨナを毛嫌いする人もいますが、タイプが異なるだけで、キムヨナも真央ちゃんもどちらも素晴らしいフィギュアスケーターなのではないかなと思ってます。真央ちゃんがトリプルアクセルにこだわり、難易度の高いジャンプやステップを取り入れ、自分への挑戦を通じて高めていくタイプなら、キムヨナはプログラムの完成度にこだわり、本番でリスクのある高難度のジャンプは避け、その分表現力を磨き、プロのように完璧に演技することにこだわったタイプなのだと思います。そのためキムヨナのジャンプは安心して見ていられるし、優雅な演技に感じるような気がします。
そして、金メダルに輝いたロシアのソトニコワ。勢いがありました。ソトニコワは団体戦に出られず、なのにリプニツカヤがショートもフリーも団体戦でパーフェクトに決めてきたのを見て、闘争心を燃やし、ロシアの女子フィギュアスケーターはリプニツカヤだけでなく私もいるのだと世界に証明してみせる、そんな強気で演技に臨んだのではないかと勝手に想像してました。ロシアというホームでノリノリで演技できたのがよかったと思うのですが、ホームの観客は力を与えてくれるけれど、時にものすごいプレッシャーも与えくるもの。そんな中ほとんどノーミスで、しかも楽しんで滑ってるように見えたので、精神的にすごく強いのかもしれません。ショートに引き続き、ジャンプがすごく高かったです!しかも金メダル争いのプレッシャーの中、一つだけ両足着氷になったものを除けば、ジャンプを全て綺麗に決めるという強さ!ただ、ホームだけに実力を発揮できて強かったのか、またホームのロシア選手だから優位に点数が高めに出たのか、そのへんがよくわからないので、今後の国際大会で彼女の本当の実力が問われていくような気がします。でもきっと実力がある選手なのでしょう。そうでなければあの緊張感の中、あれだけの演技はできないと思います。
女子のフリーの全体的な感想としては、最終グループの選手達の誰もがほぼノーミスで決めていくので、誰が金メダルになるのだろうとドキドキしながら楽しませてもらったし、皆がオリンピックという大舞台で渾身の力を出し切ってノーミスで決めていくのに感動しました。
実はフリーもリプニツカヤのシンドラーズリストのプログラムが好きで、今回惜しくもジャンプを失敗して5位に終わりましたが、ユリアはまだ15歳だからこれからどんどん表現力は磨かれるだろうし、楽しみです。
あとはアメリカのグレイシー•ゴールド。いやぁ、もうかわいい!綺麗!これだけの容姿と初めてのオリンピックで一度だけジャンプを失敗するもののそれ以外はパーフェクトに近い演技をする実力を持ちあわせた彼女は、これからアメリカのフィギュア界のスターとして広告などにどんどん起用されそうな予感。スタイルも細くて、スピンがなんとなく真央ちゃんぽい感じがしました(笑)。フリーの曲として眠れる森の美女を使ってくるあたりが憎いね〜。(なぜかオヤジ目線。)美人な彼女にぴったりで、気品のある演技にやられました!今後の活躍が楽しみな選手ですね。
で、総括としては、ここまで語っといてなんですが、、、
フリーは真央ちゃんが一番よかった!
あれ以上の感動は他の人ではなかった!
ここまで各選手のこと語っといてこんなオチって、、、という感じ?
だって、何度見ても真央ちゃんのフリーの演技には引き込まれるし、気迫に満ちていたなと。なんていうか、目を離せない演技だったんです。それでいて美しかった。魂の叫びが聞こえるような、命削ってでもやり遂げるという意志を感じるような、そんな迫力のある演技に感じました。
今度は真央ちゃんのショート、ショパンのノクターンも真央ちゃんの目指している演技ができることを祈ってます。フリーとは全く違って、可憐な優しい雰囲気の真央ちゃんが舞うプログラム、世界選手権でもう一度見ることができるのを楽しみにしています。
しかし、気づいたら長々と語ってしまいました。この情熱、他に役立てられないのか?とたまに自分でも思いますが。
そろそろブログのタイトルを、『シンガポールでフィギュアを語る』に変更すべきかも⁉︎